アズカリ

アズの仮置き場。

歪んでいるのは

イチョウ並木の横に

クレーン車がいた。

 

枝でも切るのだろうか。

 

いや、違う。

 

クリスマスの飾りつけを

しているようだ。

 

年々、さみしさを増していく

我が街のクリスマス通り。

 

中途半端な賑やかさが

かえってさみしさを感じさせる。

 

いや、

しあわせな人には

華やかに感じられるのかもしれない。

 

僕だって、

じゅうぶんしあわせさ。

 

「早いわねぇ、

 もうクリスマスだなんて。」

 

「すぐに正月がきて、

 二月三月は

 あっという間に過ぎて、

 また桜が咲くわよ。」

 

毎年恒例の会話だ。

 

年々と

時間のスピードは

速くなっていく。

 

誰かが

時計の針を操作しているに

違いない。

 

僕は銀杏にやられたことがある。

うかつに触ってしまい、

体中にアレルギーが出た。

 

最初はなぜこうなったのか

わからなかった。

 

皮膚科に行き、

「なにか心辺りはありませんか?」

と問われ、

「あ、そういえば、銀杏。」

と思い出すまでに

数日かかった。

 

銀杏アレルギーは、

見た目が酷くなる。

 

酷いが

会社を休むわけにもいかない。

 

だいたい

いつ治るかもわからない。

 

意を決して会社に行く。

 

「どうしたの?大丈夫?」

 

大抵の人は心配してくれた。

 

唯一、

自分の上司だけが

汚いものでも見るかのように

顔を歪めた。

 

あの顔と侮辱感を

僕は今でも時々思い出す。

 

歪んでいるのはあなただ。