アズカリ

アズの仮置き場。

石の上にも三年

僕がいる会社の退職率は

急上昇中。

 

特に

若手の退職率がすさまじい。

 

僕も辞めたいけど、

そんな勇気はないし、

文句を言いながらも、

なんとか毎日をやり過ごしているので、

潰れない限りは

この会社に留まるのだと思う。

 

早期退職制度が充実すれば

50代を迎える頃には

辞めてもいいかなぁ

なんて思ったこともあったが、

毎日が日曜日はつらいと思う。

 

24時間を全て

自分のものにしたところで、

そこまでの時間をかけて

やりたいことなんてない。

 

僕が

新入社員として

一番最初に配属された部署で

お世話になった方に

先日出会った。

 

聞けば64歳になったという。

とてもそんな年齢には見えない。

 

スタイルがよく

背筋がピンとしている。

 

僕に話しかけてくれるときには

いつも笑顔だ。

 

「今の仕事に定年はないらしいから

 いつまでも働こうと思ってるんだ。

 うちにいたってすることはないしね」

 

「いつまで仕事をされるんですか?」

という質問に彼はそう答えた。

 

仕事をして

金を稼ぎたいとか

そんなことではないのだと思う。

 

残りの人生、

どうやってヒマを潰そうか。

 

そんな気持ちなんじゃないかと思う。

 

忙しいときには

「旅行にも行きたい」

「食べ歩きをしたい」

「あれもこれもしたい」

なんて色々考えるが、

いざその時間ができると

持て余す。

 

よくある話だ。

 

先日も

身近な若手ふたりが

会社を辞めた。

 

今が充実している僕は

以前のように

辞めゆくものに嫉妬することはなかった。

 

ひとりは

東京から転勤してきて

半年も経っていない彼。

 

この田舎の地が

退屈過ぎたのだろうか。

 

もうひとりは

この春入社してきたばかりの彼。

 

すごく大人しい子だった。

昔の僕みたい。

 

なんだか自信なさげ。

元気がないようにも見えるし、

大きな声でしゃべることなんてないから

彼がどんな声の持ち主なのか

僕は未だに知らない。

 

きっと、

この会社がつまらなかったのだろう。

 

この会社を辞めて、

ステップアップしてやる!

なんて気持ちの持ち主では

決してない。

 

なんとなく辞める。

 

なんとなく辞めるなら、

なんとなく毎日

この会社で働いてみたっていい。

 

彼の未来は明るいのかなぁ。

昔の僕によく似た彼を見ると、

おせっかいながらも心配になる。

 

入社したときは

学校の延長線上みたいなこの会社に

うんざりしていた。

 

楽しくはなかった。

 

だが数年も経てば

自分で考えて

仕事ができるようになった。

 

そうしたら少し楽しくなった。

 

石の上にも三年。

ガマンしてみることも大切だ。