アズカリ

アズの仮置き場。

引退宣言

草の精霊がいる。

半透明で手足がついている草たち。

 

長いのと

地べたに這いつくばるのと

その中間と。

 

それぞれに

「引っこ抜いてくれ」

と僕に訴えかけてくる。

 

なぜ抜かれたいのだろうか?

抜かれてしまったら

君たちは終わりじゃないのか?

 

それでも彼らは

抜かれることを願い

楽しそうに踊る。

 

ただただ

「抜いてくれ、抜いてくれ」

と僕に訴えかけてくる。

 

どうらや幕引きをしたいらしい。

 

自分たちはもうじゅうぶん、

この地に根を張って生きたから、

次の世代に明け渡したいのだと。

 

自分たちで動くことはできないし、

枯れることもできないから

引っこ抜いてほしいのだと。

 

うん、わかった。

 

次の世代に繋げたいんだね。

身を引くということを知っている草たち。

 

僕もそんな日がきたらそれを見習うことにするよ。